2009年11月13日

蛇男

蛇男 THE SNAKE [DVD]

監督・脚本  エリック・バルビエ
原作 テッド・ルイス
出演  イヴァン・アタ  クロヴィス・コルニアック オルガ・キュリレンコ
     ピエール・リチャード サイモン・アブカリアン ミナ・ハープキラ

 

変な題で、昔の見世物小屋を思いだすが、そうではなくて、よく出来たサスペンス映画だった。
二人の男の戦い、少年時代にまつわる復讐劇だが、思い当たらない男にとってはなぜ復讐されるのか分らない。

人はどこで恨みを買っているか分らない、話の発端は怖いが、その恨みの深さが少々描き足りなくて、ここがよければ最高点だった。
でも久し振りにとても面白かった。

 

THE SNAKE  2006年 フランス ★★★☆

チェ 39歳 別れの手紙

チェ 39歳 別れの手紙 [DVD]

監督・脚本・撮影 : スティーヴン・ソダーバーグ

出演 : ベニチオ・デル・トロ カルロス・バルデム デミアン・ビチル、

          ヨアキム・デ・アルメイダ、 エルビラ・ミンゲス

映像で見ると、想像していたより現実的で、ゲバラはこんな風景の中で生涯を終えたのかと、日が進むにつれて孤立していく様子に悲哀を感じました。、

ゲバラが最後に目にしていたものがフェイドアウトしていく様子はソダバーグ監督の哀悼の心が伝わってきました。

革命家という人が今の日本に必要かと言われれば、平和な日本で、改めて考えることも必要かもしれないですが、一方全くの犠牲者無くしてはありえない変革というものなら、あるいは、素直に肯定できないかも知れません。 現実に起こった革命が、よその国の、対岸の火事的な好奇心で関心を持っている部分は、こうして映像を見ることで、一人の人間の生き方に感動する非常に優れた作品でした。次にゲバラの目指したボルネオの政治革命が国民感情がキューバとは違っていたのがゲバラの不幸かもしれません。

 

2008年 スペイン/ランス/アメリカ ★★★★

ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋 [DVD]

監督 : 中村義洋
原作 : 海堂尊
出演 : 竹内結子 、 阿部寛 、 堺雅人 、 羽田美智子 、 山本太郎 、 高嶋政伸 、尾美としのり 、

     中林大樹 、 林泰文 、 佐野史郎 、 玉山鉄二 、 野際陽子 、 平泉成 、 國村隼

 

 海堂尊さんの小説はとても面白い。「チームバチスタの栄光」が最初に映画化されたが、これは専門分野にわたる手術場面と人間関係の絡みが映像化し難くかったのか、あまり成功しなかったように感じたのですが、次に読んだ「ジェネラル・ルージュの凱旋」はストーリーも面白いし、映画になったらきっといい画面が見られるのではないかと楽しみにしていました。ジェネラルと呼ばれる医師の役は、内野聖陽さんなどを勝手に想像していましたが、堺雅人さんになったと言うので、それも楽しみだと思って待っていました。

映画は大変よく出来ていて面白かったです。堺さんのジェネラル(速水医師)は線の細さを持ちながら、それが精神的な強さを反映しているようでh髪を感じさせていました。
二作目なのでメンバーもおなじみで、最後にバチスタチームが応援にkj来るところなど面白かった。少し時間がある方には最近にないオススメ映画です。

小説では次のシリーズ「ナイチンゲールの沈黙」も映画化するには地味で難しい(内容ではなくて)のではないかと思います。
こちらも映画化されたら見たいのですが、娯楽作品ですから面白い脚本になれば、原作の味が伝わるかもしれません。

 

 2009年 : 日本 : 東宝  ★★★★☆

レッドクリフ Part II -未来への最終決戦

レッドクリフ Part II -未来への最終決戦- [Blu-ray]

監督 ジョン・ウー

出演 トニー・レオン 金城武 チャン・フォンイー チャン・チェン ヴィッキー・チャオ フー・ジュン     

      中村獅童    リン・チーリン ユウ・ヨン

PART I を見たのでやはり?藻見ないといけないでしょうということで行ってきたが、やはり話題の大作は大変面白かった。

いろいろな意見があって、終わって映画館から出てくる間に感想を声高に話している人が沢山いました。ほとんどが、「三国志」はそうじゃないだろと言うような話でした。

私は前に見た「キングアーサー」を思い出して聞いていました。、史実とは異なる分野だと思ってみれば娯楽作品として成功しているとは思うが、やはりこういう点は、少し不満が残るところがある。

どちらにしてももう歴史の中に埋もれ、片や言い伝えのお伽噺に近くなっていることで、娯楽作品として、」細心の映画技術を使って楽しく見えればいいと思うところもある。

「レッドクリフ」も、長いという戦いのシーンも小さなエピソードがちりばめられて飽きなく見られるし、娯楽映画のエキスを詰めこんだような作品で見て損は無い。ジョン・ウー監督は楽しませる映画作りにかけては才能が豊かだが、これからは史実を基にしたものは避けて欲しいような気がする。 映画をじっくり鑑賞するなら、出かけて大画面で見なくても、DVDで静かに見るほうがいいのかなと思いつつ帰ってきました。

RED CLIFF: PART II/赤壁 2009年  アメリカ/中国/日本/台湾/韓国 ★★★☆

2009年11月12日

イースタン・プロミス

イースタン・プロミス [DVD]

監督 デヴィッド・クローネンバーグ

出演 ヴィゴ・モーテンセン 、ナオミ・ワッツ 、ヴァンサン・カッセル 、   

        アーミン・ミューラー=スタール 、シニード・キューザック

 

どこか変なところもありますが、、傑作を作る監督の作品。 やはりどことなく変わった映画でしたが、イギリスの風景がにじむ上品さと、バイオレンス・アクションと、うら寂しいながら暖かさがミックスした、味のある作品。刺激的な残酷なシーンもあってR18指定。でも、慣れもあってか驚かないで見終わることが出来た。 サウナでの ヴィゴ・モーテンセンの全裸のファイトシーンにも驚かず、ナオミ・ワッツは綺麗で、ヴァンサン・カッセルの哀れなホモぶりもよかった。音楽はこれまたとてもよくて印象的でした。

 

 EASTERN PROMISES   2007年  イギリス=カナダ ★★★★

グラン・トリノ

グラン・トリノ [DVD]

監督・製作   クリント・イーストウッド

 出演  クリント・イーストウッド、  ビー・バン 、 アーニー・ハー、クリストファー・カーリー、

      コリー・ハードリクト ブライアン・ヘーリー

 

クリント・イーストウッドが監督としても俳優としても最高傑作だと賞賛されている映画を見てきた。

 

 アメリカの中西部のありそうな日常生活が描かれています。そこに住んでいる孤独な老人も身近にいそうな存在です。ただ近所はアジアの人たちが多く住んでいるところで、偏屈で固定観念に縛られた彼は周りから孤立していて、二人の息子の家族とも理解しあうことが出来ません。 ところがそこで隣の男の子と知り合うことで、変わっていきます。

晩年を迎えて、過去の出来事が、硬いトラウマになっていることをひた隠しにしていた老人の心が、次第にほどけて行く様子が感動的です。 彼の心に硬いしこりになっているのは、戦争という名前で許されてきた出来事が、多くの人にとっては犯罪とは呼べない、多くに人にとっては、戦いに勝つための手段だったと、忘れ去られていくようなことなのです。

しかし彼は戦いの後、勲章を貰ってはいますが、そのことから逃れることが出来ないでいました。彼がやっと心を開いて、教会に行き神父に懺悔したことは、思えば些細な出来事ばかりでした。 しかし彼は、ついに戦争で犯した罪を贖おうとします。 誠実さとは目に見えない心の奥底にあり、人の孤独というのは年とともに深まっていくことを思い知らされます。

彼の晩年には、理解できないと思えた異民族にも、習慣や人種を超えて暖かい人間性を理解し合えることを知り、そんな心の変化を受け入れたこと、暖かく周りに迎え入れられたことなどで、次第に気持が豊かになっていったのでしょう。 イーストウッドは78歳になったそうで、この役は彼の年齢と人生観にも深い関わりがありそうです。 深く考えさせられるいい映画でした。

イーストウッドの映画は、「ミリオンダラー・ベイビー」が一番だと思ってきました。評判ではこの作品に一歩譲るようですが、しばらく時間を置いて考えます。 映画ではありそうにない出来事を在りそうに作るものだと思います。現実はもっと奇異なものかもしれませんが、普通はそんな場面に身をおくことはありません、クリントイーストウッドはそんなありえないようなことでも綴り上げて普遍的な人の心に迫り、違和感を覚えさせず感動を与えるいい監督だと思います、この素晴らしい脚本と映像には拍手を惜しみません。

 

GRAN TORINO 2008年  アメリカ ★★★★

イントゥ・ザ・ワイルド

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

監督・脚本 : ショーン・ペン

原作 ジョン・クラカワー

出演 エミール・ハーシュ 、 ル・ホルブルック キャサリン・キーナー、 ウィリアム・ハート

       ヴィンス・ヴォーン

ショーン・ペンの監督で昨年公開された作品。実話をレポートしたものが下敷きで、そう思うとちょっと暗い、若者の内省的なロードムービーのようですが。

 * * * 

彼は大学を卒業したと同時に身の回りを何もかも整理して、大学院の学費も寄付、カードも持たない旅に出る。成績は優秀で、両親は社会的な成功者で裕福な家庭で、仲がいい妹が独りいる。それらをみんな残して旅にでてしまいます、「物や金・家族」など現代社会のしばリから解放されることが目的でした。旅の途中のエピーソドも知り合った人たちも、自由な生活送ってはいるが、それぞれ違う過去や希望や生活の形があり、自分を肯定して前向きに生きている。その人たちに関わって暮らしながら、彼は開放された生活の重みを知ります。そして生まれたこと生きていくことについて思いを深める。

* * * 

若者の一時の感傷のようですが、ショーン・ペンはそんなありきたりの解釈は与えない。バックには妹の言葉が流れ、彼の日記が画面に書かれていきます。よく考えられた構成でした。それからも、旅に出た理由や心の様子をうかがうことがで出来る。

そういった思いを、ほとんどの人は実行する勇気がなく、生きていくうえはそれぞれにしがらみも責任もあります。彼の思う、「通俗的で、常識に縛られた日常」からの開放、ということが旅のエピソードを交えて進んで行きます。考えさせられるいい映画でした。自然を写したカメラもすばらしく美しく、俳優もいい、抑制された物語はショーン・ペンらしい作品でした。題名を離れて見ると、「荒野」を目指したのか、踏み出してみるとそこは「荒野」だったのか。夜に見たので、感動したものの何か重い後味が残りました。

 

 INTO THE WILD 2007年 アメリカ ★★★★★

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ [DVD]

監督  ガイ・リッチー

製作 マシュー・ヴォーン

脚本  ガイ・リッチー

撮影  ティム・モーリス・ジョーンズ

音楽  デイヴイッド・ヒューズ ジョン・マーフィー ニック・モラン

出演  ジェイソン・ステイサム ジェイソン・フレミング デクスター・フレッチャー     

         スティング スティーヴン・マッキントッシュ ヴィニー・ジョーンズ

 

「スティング」「ファーゴ」のような作風で「処刑人」のようなそこはかとない可笑し味が加わっていて、28歳の監督の作品とは思えない、切れのよさと少々ボケた味のあるセリフ、ストーリー展開で最後まで笑わせて楽しませてくれる。若手俳優も揃ってうまい。イギリスでコーエン兄弟を見つけたような感じかした。 大まかに3つのグループの麻薬と金を巡るどたばた。それに取立て屋(これが又面白い)と不良仲間のお父さんもからんでいる、コレがどことなく笑える。

* * * 

2万5000ポンドずつを投資した4人の不良仲間が、計10万ポンドを元手に、賭けに強いエディに運を託したのですが負けてしまう、その上、口車に乗せられて借金までしてしまい、1週間以内に返さないと指をつめると脅かされるしまつ。 うまいことに4人のたむろしている部屋は壁が薄く、、麻薬を育てて大もうけをしている仲間を襲うという話が聞こえてくる、そこで、先に行って金を強奪、返済したのはいいが、蛇の道の道は蛇、盗んだことがばれてしまって。と、その大金をとったり取られたり大騒動になります。不良組は運よく生き述びてこれで返済できるというので祝杯を上げ、部屋にかえって仰天、部屋にある大金入りのバッグを巡って、入り乱れての戦いの果て、みんな死体になってしまっていた。部屋に残っていた金の入ったバッグを掴んで大喜びだったが。

* * * 

強盗計画の折に手に入れた旧式の銃が名品だったり、取立て屋が子供連れで、仕事を手伝わせながらしつけに厳しかったり面白い。 最後も気が利いている。

 

 Lock Stock & Two Smoking Barrels   1998年  イギリス ★★★★★

レボリューショナリーロード 燃え尽きるまで

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで スペシャル・エディション [DVD]

監督 サム・メンデス

原作 リチャード・イェーツ

音楽 トーマス・ニューマン

脚本 ジャスティン・ヘイス

出演 レオナルド・ディカプリオ  ケイト・ウィンスレット  キャシー・ベイツ  キャスリーン・ハーン  

    マイケル・シャノン

タイタニックのコンビなのでラブストーリーのような作品に思えるのが残念、題名も微妙で。狙いが分らない。でも、甘く悲しいタイタニックのお話とは全く違う。ラブストーリーめいた題で客寄せのつもりなら、観客の捉え方には失敗したのではないだろうか。「レボリューショナリーロード」という題は意味深。

 * * * 

 50年代の原作で時代背景も当時の設定にしたそうだが、ストーリーは特に時代には影響されない、今も結婚生活には普通に見られる形のように思われます。夫婦の生き方の違いが、時間がが経つにつれて鮮明になってくるのはあり得ることです。それを家庭という繋がり、小さな共同体の枠の中で何とか妥協をしたり慣れていったりと、それを乗り越えていっているのが、ほとんどの夫婦の姿ではないでしょうか。ただ家庭というものが自己の個性や将来を見失わせる足枷か檻のようだ思いはじめた人たちにとっては、時間の流れが耐え難い苦しみに感じられるかもしれません。この映画は、妻が郊外の家で暮らしている間に孤独感が深まり、精神的に病んでしまいます。若い頃の夢が忘れられず、夫が若い頃持っていた夢も一緒に取り返そうとします。しかし夫は妻ほど今の生活に不安はありません、妻の気持に沿って一度は仕事もやめて生活を変えようとします。でも、昇進のチャンスがあったり妻が妊娠したりで、、生活を安泰に続けたいと思うようになります。妻は気質にエキセントリックなものを持っているだけに、希望が叶えられないと知ってとった方法は悲劇的です。でもそれも、何か分るような気持がしました。心身ともに自立してはいるのです、不可解で込み入った自分の気持も分ってきます。そして諍いの後森の木に凭れて項垂れる妻の姿が悲しいです。今の環境から抜け出すことに決めた朝、穏やかに夫と朝食をとる、静かに台所に立つ妻のシーンは明るい朝の光の中で輝いていました。悲しい名場面です。夫はそんな朝が迎えられたのを喜んで仕事に出かけていきます。

 * * *

夫婦の気持のずれが、小さな亀裂からだんだん大きくずれていく様子がとてももの悲しく胸を打つ作品でした。

REVOLUTIONARY ROAD  2008年 アメリカ ★★★★★

彼が二度愛したS

彼が二度愛したS [DVD]

監督 マイケル・ランゲネッガー

出演 ヒュー・ジャックマン ユアン・マクレガー  ミシェル・ウィリアムズ シャーロット・ランプリング  マギーQ

 

ユアン・マクレガーの映画はいつでも見る価値があると思っている。この映画はサスペンスといっても先行きが分るという弱点はあrものの十分面白かった。

 * * * 

冴えない会計士のマクレガーは孤独で、偶然知り合ったセレブな弁護士のジャックマンと話し込んで友情を感じる。取り違えた携帯電話に、ジャックマン宛てにかかってきた電話を聞いて、会員制の秘密クラブを知る。それはデートクラブで簡単にホテルで待ち合わせるというシステムになっていた。そこで出遭った頭文字がSと言う美女に一目ぼれをする。次第に不気味なジャックマンのわなに嵌っていくという、ラブサスペンス。

 * * * 

ユアン・マクレガーは色々な役をこなす非常に優れた俳優だと思っているが、いち押しはなんと言っても「猟人日記」。この不思議な雰囲気が滲む映画は忘れらない。また、「スターウォーズ」のオビ=ワン・ケノービもよかったし「ムーラン・ルージュ」では歌もうまい、。「ビッグ・フィッシュ」は感動の映画だった。

ヒュー・ジャックマンは、X?MENで髭を見慣れると、スーツを着こなした弁護士は新鮮だった。もうすぐ公開の「ウルヴァリン」でまた可哀想なローガンを見ようと思っている。

可愛くて美しいミシェル・ウィリアムズという女優さんは初見かと思ったら、「ブロークバックマウンテン」でヒース・レジャーの奥さんになっていた人だそうで気が付かなかっけれど、とにかくこの映画はキャスト三人が見所でした。

 

 Deception  2008年  アメリカ ★★★

シュリ

シュリ [DVD]

 監督 カン・ジェギュ

 脚本 カン・ジェギュ 

 音楽 イ・ドンジュン  

 出演 ハン・ソッキュ(ユ・ジュンウォン )キム・ユンジン( イ・ミョンヒョン )                               チェ・ミンシク( パク・ムヨ ン )ソン・ガンホ (イ・ジャンギル )  

だれが観ても、何度観ても面白いよと周りの人たちに吹聴した。それまで韓国では、テレビ用のメロドラマを作っているのかと思っていたが、無知だった。ハリウッド映画のような戦闘場面に驚き、俳優の元気のいいのにも驚き、ストーリーも面白かった。

北朝鮮の工作部隊が韓国に侵入し、韓国側の諜報部員(ハン・ソッキュ、ソン・ガンホ )と対立する。韓国要人が暗殺されるということが頻繁にあり、それを二人が調べているところに、韓国で開発した液体の爆弾CTXがこの工作部隊に奪われてしまう。爆弾を取り返さなくてはならないのだが、内部の作戦が何度も事前に漏れてしまうので内部の調査もしなければならない。二人はお互い疑心暗鬼に陥り、ジュンウォンは相棒を試すために罠を仕掛けるが、そこに北朝鮮の女性スナイパーが絡むというそんなお話。それに結婚を一ヶ月後に控えた幸せな恋人同士が悲恋に終わるラブストーリーも重要な要素で同時に進行する。満員の(満員でないと面白くないが)サッカーの試合場に仕掛けられた爆弾の爆発時間が迫る中で、工作員の隊長(チェ・ミンシク)とハン・ソッキュの対決。敵役のこの隊長はまったく悪人という感じで過激に出没する。同じサッカー場で要人を射殺しようと構えている女性のスナイパーを探して、それを阻止なくてはならない。

終盤にかけてのこれからの展開が、男女を問わず一番印象的だったということで、スナイパーを見つけて撃とうとする場面がいつも話題になるが、ここからが「シュリ」の真髄かもしれない。 * 南北に分断された朝鮮半島の政治情勢だとか、国民感情だとか、ハリウッド映画のような戦闘場面だったとか、ラブストーリーとしても面白いとか、話の展開に無理があって疑問が残るとか。スリルとサスペンスも十分だとか、いろんな感想もあるが、それはそれとして楽しく面白い映画で時間の無駄遣いだとは思わなかった。この作品から韓国の映画がよくできている事を発見したのでこれからも楽しみに見ることにした 熱帯魚店の水槽に弾が当たって次々に割れていくシーンがある。勢いよく噴出する水が結構爽快で、それを観てから水槽が写るとがあると、いつかあれが割れるのではないかとハラハラしたが。

 

 syuri  1999年 韓 ★★★★★    

銀杏のベッド

銀杏のベッド [DVD]

監督 カン・ジェギュ 

脚本 カン・ジェギュ 

音楽 イ・ドンジュン  

出演 ハン・ソッキュ( スヒョン )  ジン・ヒギョン (ミダン) シン・ヒョンジュン (ファン将軍 )ジム・ヘジン (ソニュン)  

この映画はハン・ソッキュが出ていなければ見ることはないというような、アニメを実写にしたような奇妙な作品だ。話題になった「シュリ」が面白かったので,その監督のデビュー作というのも興味があったのだが、ジャンルは何になるのだろう、SF、ホラー、ファンタジー、サスペンス、ラブストーリー、なにもかも詰め込んだような、一風変わった映画だ。

 

画家で美術講師のスヒョン(ハン・ソッキュ)は、 露天商の並ぶ通りを歩いていて、銀杏の木でできたベッドを見つけ家に持って帰る。それから不思議な事が起こり始める。昔の武将らしい怪しい雰囲気の男(ファン将軍)が襲ってくるは、謎の美女(ミダン)が現れて助けてくれるはで、てんやわんやだが生きているのは現実の世界であり、毎日が命がけである。彼は医者の婚約者(ソニュン)もいてそんな騒ぎなどまったく縁のない落ち着いた生活をしていたのだが、偶然訪ねていって出遭った不思議な木彫りの老人の話では、実は1000年前は宮廷の楽士であって、王女と恋仲になり駆け落ちをしたが悲恋に終わったという、彼はその楽士の生まれ変わりだった、といわれても彼にとっては寝耳に水の出来事である。楽士は将軍に首をはねられて非業の死を遂げ、王女はそれを悲しんで死んでしまった。その後二人は二本の銀杏の木に生まれ変わリ幸せだったのだが、一本は雷に打たれて枯れてしまい、残りの木でベッドが作られた、そのいわくつきのベッドのお陰で、何度生まれ変わっても追いかけてくる、嫉妬に狂った不気味な将軍に襲われ続けて命を狙われるらしい。その上そのベッドには王女の魂が宿っていて、ときに楽士の魂が目覚めて、ベッドの上で王女と居ることが不思議に思われなくなったりする。婚約者も居るのに困ったことであるが、それはそれで生まれ変わりなので、前世の記憶が蘇ってそういった事も起こるらしい。又一方、婚約者も不思議な現象に遭って、医師の資格を奪われてしまったりする。

 

設定も人物もそれなりに面白くできているが、残念ながらストーリーが複雑に絡み合って、整理不足が感じられる。こういった現実離れのした設定は、前後がつじつまの合うように作り、ストーリーも単純な方が画面で楽しむにはいい。奇抜ではあるが面白味のあるキャラクターが多いわりに、少し実験的過ぎて残念。 多分つまらないという人も多いだろう、実際面白いと思うにはストーリーを整理しながらかなり想像力で補わないといけない面倒な映画だが、なぜか韓国で公開された時は話題になりヒットしたそうだ。幻想的なラブストーリー。

The Gingko Bed 1996年 韓国 ★★★☆

2009年11月11日

8月のクリスマス

8月のクリスマス スタンダード・エディション [DVD]

監督 ホ・ジノ
脚本 オ・スンウク ホ・ジノ
音楽 チョ・ソンウ
出演 ハン・ソッキュ(ジョン・ウォン) シム・ウナ(タリム) ジョン・ミソン(ジウォン)

 

 不治の病に冒された青年の淡々とした日常が描かれただけの静かな映画。

ジョン・ウォンは父親から受け継いだ写真屋の店先で、客の注文を誠実にこなしている。人々との交わりも毎日何の変哲もなくくり返される。
写真屋のあるソウル郊外の街角は、一昔前に見たことのあるような家並みで懐かしい。木製の引き戸、額入りの写真を飾った窓、中に入ると古いソファーがありそこでお客と話したり休んだりしている。

そんな時、交通整理をしている若い女性、タリムが来て至急の写真を頼んでいく。その後タリムは店にきては他愛ない会話をして帰っていく。
寡黙なジョン・ウオンと物怖じしない現代っ子のタリム、二人の個性の違いが面白い。
ジョン・ウォンの病気が進行して入院し、長く店が閉まっている、タリムが手紙を書いて表戸の隙間から差し込んでいく。管轄が変わって遠くに行くことになったからで、ジョン・ウォンは一度退院してこの手紙を見る。
としても状況はどうなるものでもない。
二人の交流も、ほのかなラブストーリーになって雪の降った日に幕を閉じる。
最後の場面で額に入った写真が変わっているところが ジョン・ウォンの気持ちを代弁していて胸がつまる。

ハン・ソッキュは地味で自然体、人生の終わりを静かに受け入れて、流れる時間と共に生きている青年を身近に感じさせる。
生き生きとしたのシム・ウナの、職場のストレスが溜まるだろうと思わせる仕事振りが、一層ハン・ソッキュの生活の静けさを際立たせ感動的。

ハン・ソッキュの演じる青年が住む韓国の町が日本でも少し前まではありふれた風景であったことなど懐かしい感じがする

 

 Christmas in August 1998 韓  ★★★★★    

007カジノ・ロワイヤル

007 カジノ・ロワイヤル [DVD]

 

監督 マーティン・キャンベル
原作 イアン・フレミング

出演 ダニエル・クレイグ エヴァ・グリーン マッツ・ミケルセン ジュディ・リンチ

 

今度のボンド役はピアース・ブロスナンじゃないそうだ、彼はもう若くないから,というのでどんな人がやるのかと思っていたら、ダニエル・クレイグというあまり知らない人だった。写真で顔を見るとあぁ「ミュンヘン」に出ていたし、「トゥームレイダー」では感じがよかったが終りのほうで簡単に死んだなという俳優だった、渋い人選だと思い、ユアン・マクレガーが断ったという後釜だったし映画館に見に行くのをためらった。それでDVDを借りて遅くに見たのだが期待以上の面白さで映画館に行くのだったと後悔したくらい。オープニングから気合が入っていて、ダニエル・クレイグのボンドはこれからがとても楽しみになった。
                                                        *

00の資格を持つには、2件の暗殺を実行しなくてはいけなかったが、ジェームスは難なくそれをクリアしてエージェントになる。、次の指令は爆弾魔の殺しだったが、追跡中に大使館に入り射殺したのはよかったが辺りをめちゃくちゃにしてしまったのでMに大目玉を食らってしまう。

調査を続行しているうちに、テロ組織の軍事用資金を請け負って投資運用し、利益をむさぼっているル・シッフルという男に辿りつく。ル・シッフルはマイアミ空港で新型ジェットを爆破して株価を下落させることを企むがそれをボンドに阻止されて大損をする。今度はカジノでそれを取り返すべくテキサスに向かう。カードゲームに才能のあるボンドは彼と対決するが、資金をすってしまい、財務省から派遣された資金係のヴェスパー・リンドからも追加資金を断られ窮地に追い詰められているところに、丁度居合わせた局員の権限で、CIAの援助がありその潤沢な資金に恵まれて勝利する。捨て身のル・シッフルはボンドに毒を盛り、あげくはボンドが得た金を振込銀行から取り返す計画で、パスワードをめぐってボンドを拷問しヴェスパーを誘拐してボンドを窮地に追い詰める。しかしさすがにCIA幹部、ついにル・シッフルを追跡、射殺して一件落着。そしてボンドは愛しあうようになったヴェスパーと甘いハネムーンを過ごし、もうスパイはやめようかと思うほどだったが、次に来る過酷な運命には逆らえなかった。

 * * *

 初代ショーン・コネリーから続くボンドーシリーズは安定した作品で面白かったし、その流れを汲んでストーリーもアクションもオープニングも一つのスタイルを作ってきた。
今回の作品は新しいボンドが生まれた記念すべき一作目といえるようだ。最初の二件の暗殺はフラッシュで見せる。ダニエル・クレイグの年齢はよく分からなかったが、アクション場面の切れのよさにやはり彼は若い人だというところが見えた。癖のある顔つきも可愛らしく見えてきたから不思議。まだまだ完成前のスパイ活動で彼のフェミニストぶりも後年の徹底振りはない。魅力的なエヴァ・グリーンを最初は嫌ったりして露骨にそれを顔に出す。Mのいうことにも真面目に逆らってまだ゙練れていない。ボンドカーにスパイ道具がない。隙を突かれて毒を飲まされたりする。顔が傷だらけ。泣いたりするし。などなど若いゆえに未熟なところが出る。好きになったらもう一途なのも可愛らしいと、とても面白かった。初期のボンドなら時代は遡っているはずだが機器などは今のものを使っている。
Mの家が出た。旦那さんも初めてお目にかかった。今回は秘書が出ないし、あの面白い便利なスパイ道具を作るQさんはまだ就職してなかったか配属されていないらしい。
前に「嵐が丘」の映画でヒイスクリフを演じて感動したティモシー・ダルトンのボンドは期待して見たが少しキャラが違うように思えた、ヒイスクリフの偏執的な部分は彼が演じたときはよかっただけに開放的で緻密なボンドは似合わなかったのだろう。2作作られただけ。
ピアース・ブロスナンは美形でスタイリッシュでがんばりボンド像を壊すことがなかったので安心だったが、世代は交代の時期だったのか。スタッフの目にかなわなかったようだ。今度の007を作ったことはこれからも愛すべき007の活躍に続く、新しい展開の序章のようでまた楽しみが増えた。

 

 Casino Royale  2006年 米・英・独・チェコ  ★★★★