ヒトリシズカ

金剛山の山道を登っていて林の下を見ると、ヒトリシズカの群生が見えた。
もう花は終わった頃だと思っていたので、
花が咲き出したばかりの瑞々しいところに出会えたのは幸運だった。
茎の先に４枚の艶々した葉が輪生して真ん中から花穂が伸びている。
白い花糸が三本ずつ横に伸びているので、小さな白いブラシのように見える。
ブラシなどといったら、ヒトリシズカという綺麗な名前が泣くだろうか。
春の林の中で丸く開いた中から白い花が１本立ち上がっている姿は、
静御前の舞姿だと言われればそうかもしれないと思うが、
マクロで見てみるとあまり想像力の広がらない姿をしている。
拡大してみていい花とそうでない花があるものだ。

少し離れた所から花の姿を見ると林の中で咲く姿は
洗い立てのような不思議な清潔さを持っている。

別名は「吉野静」とか。