サイトをSSL化しました。セキュリティアップ!

ことわざの論理



外山滋比古

転石苔を生ぜず。A rolling stone gathers no moss  そんな言葉があった。

どこの国でも同じことを考えるものだ。
と、ここにもそう書いてある。
でも最近少し違った意味にも使い出したそうだ。

アメリカ式解釈で、優秀な人なら引く手あまたで席が温まる暇がない。それって「会社変わるの、ここではまだ no mossなのにね、うらやましいです」なんていわれるのかな。
この言葉がイギリスで生まれたときは、絶えず商売換えする人に金はたまらないという意味だったとか。

私は日本人なので、それに心も少し古びて来たし、やっぱり腰の定まらない人は生活も安定しない、と感じるけど。そういうのこの頃はちがうような。お目に留まるくらいのヘッドならハンティングの網に引っかかって冒険もできるだろう。

一芸を極める、なにかに取り憑かれたような人が面白いと思ったりしてきたが。
私的には(詩的と変換された、pc君、君なかなか深い、魅力的だ。)一芸ゆえの清貧というのもほどほどまでなら環境も詩的で美しいかもと感じる。

終身雇用も危なくなってきたら、能力を磨かないと苔が生えると言われかねない気もする。

イギリスのことわざと比べて
「人間はやはり人間としての心を共有している。」と書いてある。

今読んでいる、アフリカの作家が書いた「やし酒飲み」でも、遠い国のぶっ飛んだ冒険談だけれど、どこか身近な親しみを感じるのはこのことだろう。

項目が多いので折に触れて少しずつ読もうと思っている。


お気に入り度:★★★★★
掲載日: