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ぼんくら (講談社文庫) 上・下セット



宮部みゆき

暑い日は、ぼんくら暮らし。一日中、宮部さんを読む

同心、井筒平四郎は、転がりこんできた家督相続に困惑してはいたが、今では何とか勤めを続けている。
面倒な付き合いや物事からはできるだけ遠ざかり、信仰心はもとより欲も徳もないさっぱりした性格の愛すべき主人公である。ただうまいものを食べると言う楽しみは人一倍あるにはあるが。

市中見回りにはできるだけ出かけているが、身を入れて仕事をしていないにもかかわらず上役から特に何も言われないのは、人柄のせいかもしれない。

さて舞台は「鉄瓶長屋」。ここの住人が殺されたことが発端で、次々に歯が抜けるように店子が出て行き空き家が多くなる。
持ち主(地主)にも何か仔細があるようだし、胡散臭い人物が顔を出すようになる。

と言うことで、事件に巻き込まれることになるのだが、彼のまわりには、特異なキャラクターが揃っていて、それが事件の解決の鍵になるような働きをしてくれる。
コレが面白い。宮部さんの読みやすい中にも、季節感や細やかな人物描写も、読後感が爽快で面白い。


お気に入り度:★★★★☆
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