不思議な面白い世界が広がって、トーベ・ヤンソンの挿絵と種村弘という訳者の言葉が踊る
一応、謎の怪物「スナーク」を探して真っ白な地図を持って船出する。乗組員の面々は
ベルマン・・・ 船長
靴磨き
帽子屋
弁護士・・・・紛争を処理するために
ブローカー・・財産査定のために
ビリヤード・マーカー・・・凄腕の彼は仲間の分け前をちょろまかさんと
銀行家・・・ところが、がっちり現金を管理していた
ビーバー・・・愛らしい姿でレース編みが上手 何度も難破船を救ったが方法は誰も知らない
肉屋・・・底抜けの阿呆に見えるが 念願は「スナーク」
パン屋・・・実は名無し 作れるのはウェディングケーキだけ
目次
第1の歌 上陸
「スナーク」のいそうな場所だ。
第2の歌 ベルマンの演説
見渡せば底は険しい岩山ばかり、みんなに酒を振舞って、世にも奇妙なスナークのこと。例外があってプージャム、といったら途端にパン屋が気絶した
第3の歌 パン屋の物語
伯父が言ったスナークの狩り方、であったスナークがプージャムだったらお前の詩型は消えうせて(確信してます)あとかたもなく・・・
第4の歌 狩り
パン屋の狩り方で、みんなはそれぞれ支度した
第5の歌 ビーバーの学習
仲の悪い肉屋とビーバーが谷間で一緒になった。甲高い叫び声「ジャブジャブの声だー」肉屋はジャブジャブについて書いて計算もした。
ビーバーと肉屋は友情で結ばれた。冬でも夏でも変わりなくまるで二人で一人のようだ。ジャブジャブの歌が心に残り 永久に絆の解けることなし
第6の歌 弁護士の夢
豚小屋から脱走した豚をスナークが弁護した。起訴の内容は不明、判事の代わりに事件をまとめ判決も下した。「終身追放!」しかし「豚はとっくに死んでしまった」みんなは怒鳴り、スナークも怒鳴り続け、それで弁護士は目が覚めた。
第7の歌 銀行家の運命
バンダースナッチに襲われた。激しくつつかれ銀行家は失神した。一同が駆けつけた時,舌はれろれろ。一対の骨をからから打ち鳴らすだけ。
「置き去りにして急ごう」ベルマンは言った。
第8の歌 消えちゃった
日が暮れてきた。「名無しが何か叫んでる」「狂ったように叫んでる」パン屋こと名無しの英雄が崖っぷちで叫んでる。狂ったように谷底に飛び込んだ。
「スナークだ!」声が聞こえ次に「ブー・・・・」次に「・・・ジャム」と聞こえたと。
狩りを続けたが、そよ風が吹きすぎパン屋がスナークとあった証拠も見つからなくて。音もなくいきなりパン屋はきえちゃった。そうスナークはプージャムだった。
そんな備忘録よりも、なんと面白い、めちゃくちゃそうでおかしくて、スナーク探しの筋道はなんとなくわかってくる。トーベ・ヤンソンの絵を見ても、恐ろしいょうな可笑しいような、不思議な不思議な物語。読んで味を確かめれば、忘れられないような節回しで、繰り返す言葉が頭に残る。
種村さんが苦心した古歌、長歌の七五調に乗って珍しい世界が広がった。