いぬとうばな

とりたてて綺麗だとか愛らしいとかいう花ではないが、
山に行くと草の中に混じって咲いていたり、湿ったところに群生していたりする。
小さな薄いピンクの唇型を見ると、ささやかな自然を感じて微笑ましい。
花が唇型でよく似ている花はたくさんある。
みんなシソ科に入っているが、ほんの少しずつ違っている。

イヌという名前がつくあたりトウバナがあってその後で似て非なる此花が
見つかったのだろうか。
花の紅色が薄くガクには密に長い毛の生えた形は、
イヌの名前にふさわしいようにも思われる。