サイトをSSL化しました。セキュリティアップ!

むかし僕が死んだ家



東野圭吾

同窓会で再会した昔の恋人が、子供の頃の記憶がないという。

結婚して子供もいる彼女に、今更出会って話すことには気が進まなかった、しかし亡くなった彼女の父の遺品の鍵と、小さな地図を見せられ、それを手がかりにした記憶探しに巻き込まれる。

地図を頼りに行って見ると、山の中に人目に触れないくらい、ひっそりと建っている白い家を見つける。そこには不思議なことに、誰もいなくなった今でも、時を越えて家族の生活が残されていた。

二人はその家の中から、悲惨な一家の歴史を見つけ出す。
奇妙な遺品たちが語るもの、というのは推理小説の大切な要素だろう。登場人物と一緒に地下室からしか入れない不思議な家を歩き回った。

読みやすく、設定も雰囲気がある。家の中に残されている手がかりが、話を迷路に向かわせたりするが、意外な事実が分かる。

よく似た境遇の二人が惹かれあい別れた、それとなく話の伏線としては効果的で、「むかし僕が死んだ家」という題名がすべてを語るようだが、むかしの彼女に近づいて、とうとう過去に近づいてしまった。
過ぎたこと(彼女)は引き寄せない方がいい。気が進まないことは要注意という教訓があるかもw。


お気に入り度:★★★★☆
掲載日: