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もう一度読みたい 教科書の泣ける名作



学研教育出版

「ごん狐」などはよく知っているはずなのに、大雑把な話しか知らないので、ずいぶん前から気になっていた。ふと思いついて図書館の本を検索してみると、この本が出て来た。

選考はさまざまな世代にアンケートを行い、有名な作品から、隠れた名作まで16編が選ばれているそうで。
採用された教科書の学年の紹介があると書かれているのですが、記憶にあるのは「かわいそうなぞう」「杜子春」だけだった。

後年、作者の全集などで読んだものが多いが、初めて読むのもあって、教科書には、こんな作品が載っていたのかと、読んでみると又特別な感動や感激があった。

教科書の作り手が検討に検討を重ね、学習に適した面白い作品を選び抜いた結果が「教科書の物語」です。名作ぞろいなのも当然といえましょう。まえがき

厳選16編の目次は

☆「ごん狐」 新実南吉 

☆「注文の多い料理店」 宮沢賢治

☆「大造じいさんとガン」 椋鳩十
   がんのわたりのリーダーに「残雪」という名前を付けた。利口なので爺さんが狙っても一羽も撃てなかった。「残雪」と爺さんの知恵比べ。

☆「かわいそうなぞう」 土屋由岐雄 小学校二年生の教科書 

☆「やまなし」 宮沢賢治 小学校六年生 
   蟹の子供たちが話している。「クラムボンはわらったよ」「クラムボンはかぷかぷわらったよ」独特の擬音が印象的。川の中から見た風景も幻想的。

☆「モチモチの木」 斎藤隆介 小学校三年生
   一人で外のセッチンに行けない小さな豆太が、ある夜モチモチの木に灯がともったのを見た。

☆「手袋を買いに」 新実南吉 小学校四年生

☆「百羽のツル」 花岡大学 小学校三年生
   百羽の鶴が飛んできた。長い旅にやっとついてきた小さな鶴が落ち始めた、99羽のツルが網のように重なって広がりおさない鶴を受け止めた。

☆「野ばら」 小川未明 小学校六年生
一株の野ばらが咲く国境で、二つの国から来た兵士が一人ずつ隣り合った小屋で警備していた。二人は仲よく日を過ごしていたが、若い兵士が戦場に出て行った。残ったおじいさんは若者が死んだのだろうと思ったが、前を通り過ぎる軍隊に彼が見えた。でもそれは夢だった。戦いが終わりじいさんは暇を取って故郷に帰りバラは枯れた。

☆「ちいちゃんのかげおくり」 あまんきみこ 小学校三年生
  影法師をじっと見て青空を見上げると、空に影が映って見える。と出征前のお父さんが教えてくれた。戦争が激しくなり、空襲を受けた。光が顔に当たってまぶしくて目が覚めると。一面の花畑の中にいた。

☆「アジサイ」 椋鳩十 小学校六年生
  小さな谷に小さな沢があり一面にアジサイが咲いていた。そこは危険なのでと取りにいってはいけないと言われていたが妹が恐れ気もなくアジサイの群れに入り腕いっぱいのアジサイを抱えてきた。

☆「きみならどうする」 フランク・R・ストックタン 小学校五年生
  ハルは銃と写真機をもって森に入った。見事な鹿の親子がいた。写真を撮るか、撃つか。
  
☆「とびこみ」 トルストイ 小学校四年生 
   世界一周の帰路に就いた船のマストに猿が上った。少年も負けるまいと登った。下を見て恐ろしくなった。船長はマストでふるえている息子に銃を向けた。「飛び込まないと撃つぞ」

☆「空に浮かぶ騎士」 アンブローズ・ビアス 小学校五年生
  カータという歩哨は前線で眠りこけていた。目を覚ますと眼前の崖にある平らな石の上に馬が見えた。その姿は晴れた空に浮かんでいるようだった。彼は銃の引き金を引いた。空から降りていくように見えて騎士は崖から落ちた。「誰が乗っていたのだ」「私の父です」「なんていうことだ!」と軍曹がつぶやいた。

☆「形」 菊池寛 
  戦場で勇名をとどろかした武将、新兵衛は兜と猩々緋の服折りを初陣の士に貸した。彼は敵陣に討ち入り、悠々と引き返した。一方代わりの武具を付けた新兵衛は勝手が違った。彼は押し寄せる敵の槍が、彼に向かい、突き出されるのを見た。

☆「杜子春」 芥川龍之介 小学校六年生

時代を写すものもあれば多少道徳的な話もある。「かげおくり」は子供の頃遊んだことを思い出して懐かしかった。初めて読んだときはじんと来ただろうか。泣かない程度に大人になったなぁ。としみじみ。
学年が書かれていないものもあった。


お気に入り度:★★★★☆
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