サイトをSSL化しました。セキュリティアップ!

クリスマスのフロスト



R.Dウィングフィールド

人は見かけではない、かも。 仕事なら周りの都合もお構いなし巻き込み振り回し、刑事しか勤まりそうにないが、嘘も方便やれば出来る、それでも部下に慕われるフロスト警部。これぞマイウェイ。

シリーズ第一作を読みました。やはり面白い!

くたびれたコートに、洗ったことがないような臙脂のマフラーを巻いたフロスト警部が登場。
所はクリスマスを控えた、雪が降るロンドン郊外の田舎町。

怖いものなしのフロスト警部の痛快な、下品なジョークと、偶然の思いつきのようにみえるが、犬のように事件をかぎわける才能、傍若無人のようで繊細な心遣い。

もうありえないようなだらしなさで、机の上には書類が散らかり放題の部屋。
提出書類は捜しても見当たらず、見えないので何時も期限切れ間際に大慌て、部下の超過勤務手当ての請求用紙もほったらかしで、二ヶ月遅れで幸運にも滑り込ませて一安心。

適当な嘘をつくわ、言い訳も一流だわ、だらし無さも極めつけ。
でも不器用だが思いやりがある、だから署内では受けがよくみんなに親しまれている。
という憎めない、全く可愛い人柄が魅力的です。さすが人気者。

事件の発端は少女の誘拐。母親は高級娼婦で、お客に犯人らしい臭いのする人物がいる。
という時に通りがかった銀行前で扉をこじ開けているように見える光景を何度か目にしていて、少女を捜索中に、胡散臭い老婆の家の近くで古い死体の一部まで見つけてしまう。

これで昔の銀行の事件が解明されていく、何重にも重なった出来事を解決するのが、いい加減そうな彼なので楽しい。

相棒になったのが警察長の甥で、周りは敬遠気味なのだが、かまわないフロストにこき使われる姿も、いまどきの若者対フロストの姿が爽快。

妻をなくしたばかりで仕事一途、ワーカホリックを地で行くので、回りの都合などお構いなし。
読んでいるとなんだか気が軽くなりそうで、このシリーズの人気が分かる。

所長をはじめ個性的な仲間も面白い。


お気に入り度:★★★★☆
掲載日: