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スラムドッグ$ミリオネア

スラムドッグミリオネア 映画

スラムドッグ$ミリオネア

監督:ダニー・ボイル
脚本:サイモン・ビューフォイ
出演:デーヴ・パテル アニル・カプール イルファン・カーン マドゥル・ミッタル フリーダ・ピント




アカデミー賞で8冠を得た作品、問題の受賞作ということでも分るように、映画好きでなくても時間があれば見てもいい、文句無く万人向けの秀作だ。インドのムンバイ(旧ボンベイ)のスラムで育ったジャマールという子供に、運命の女神はどう微笑んだか。


ジャマールは 雨の中で独り震えていたラティカという少女に一目ぼれをした、幼い初恋は大人になっても記憶が薄れることがなかった。生き別れになった少女を探し続けているが、ジャマールのようなスラムの孤児たちは過酷な運命の中でしか生きるすべはなかった。探し当てた彼女は地域のボスに踊り子として働かされていたが、ラティカもジャマールを忘れてはいなかった。

またも行方の分らなくなってしまったラティカを見つけるために、テレビのクイズ番組に出ることにした。教養もないスラム育ちの青年に答えられるのかという周りに反して、順調に勝ち進み、残る一問を正解すれば2億ルピーを得ることが出来る。というところで逮捕されてしまった。分るはずがない問いに正解するにはどんな手を使ったのかと言うきつい取調べが続く中で、彼は過去の生活を語り始めた。生きるためにさまざまなインチキ商売をし、その中で仕入れた知恵やタイミングのいいシーンや会話を記憶していた。この話でクイズの回答がなぜ正しかったのかが次第に明らかになる。

そして 最後の一問はどうなるのか。勧められてもドロップアウトを潔しとしなかったジャマールに人気沸騰。国中の人がテレビに釘付けで大騒ぎ。


まるでおとぎ話のようなラブストーリの中にインドの現実が挿入され、ジャマールのパワフルな処世のうまさや、親をなくした悲劇や、チンピラになった兄のことや、孤児を食いものにするやくざのボス、足を引っ張ろうとする司会者など、過去の出来事やキャラクターがそれぞれ面白い、テンポに乗って話が進んでいく。

イギリスの監督は話をどう納めるのか、最後まで気が抜けない。音楽も緊迫感あり、甘い歌声もありで楽しい。エンドロールのバックはしゃれていて、さすがインドが舞台だったかとビックリする。

ムンバイは旧ボンベイということだが イタリアのポンペイが浮かんで困った。ムンバイという都市は初めて知ったが、過去にこんなスラム街があり、独りで生きているジャマールのような子供たちもいた。彼が成長して、現在のムンバイの町並みが出てくるが、すっかり近代化されてビルが立ち並んでいた。まだ身分制度の名残はあるそうだが「踊るマハラジャ」のインドは今ハイテクで世界を凌いでいるそうだ。
為替相場は日々変わるけれど100ルピーは1000円くらいだと聞いたが、インドで生活するにはどのくらいに使えるのかインドで暮らしたことがないので価値が想像できない、でも残る一問、もしこれを残しても不自由の無い優雅な生活が保障される金額には相違ない。

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