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ギルバート・グレイプ

ギルバートグレイプ 映画

ギルバート・グレイプ

「What’s Eating Gilbert Grape」 (1993年 米)

監督:ラッセ・ハルストレム
脚本:ピーター・ヘッジスジスソニー・ミンゲラ
出演:ジョニー・デップ(ギルバート) レオナルド・ディカプリオ(アーニー) ジュリエット・ルイス(ベッキー)


アメリカ アイオワ州の片田舎の町にある小さなスーパーでギルバートは働いていた。
24年間小さな町から出ることもなく成長し、障害を持つ弟アーニー、夫の突然の死で過食症になり、肥満で動くこともままならない母。妹が二人。
こんな家族を養っていた。弟は短命だろうと診断されていたが、もうすぐ18歳の誕生日を迎える。
ギルバートの優しい保護の下で元気に成長してきた。たまには高い給水塔のはしごを上り町の人たちをハラハラさせていた。


そこにキャンピングカーの隊列が来る。弟は毎年銀色の車の列が通り過ぎるのを楽しみにしていた。
その中でエンジンの故障で近くにキャンプをすることになった車がある。その車にはあちこち旅をして暮らしている若い娘と祖母が乗っていた。
時折娘のベッキーが買い物に来てギルバートが配達を頼まれた。
そんなことが重なり二人は急速に親しくなっていった。家族にハンディを抱えるギルバートはこの明るく自由な魂をもつベッキーに惹かれ二人は愛し合うようになる。
車のエンジンが直りベッキーは旅立ことになったが、ギルバートは
家族のこともあり、別れを受け入れることは運命のように感じていた。


最近あくの強い役が多い、ジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが共演している。
二人ともまだ若く、田舎の町に溶け込むほどの自然体で演じている。
長男の責任を果たさなくてはならないと受け入れてきた境遇が、外の世界から来たベッキーによっで次第に窮屈に思えてくる。
若者の社会への目覚めと、彼女を愛するようになった心の揺れが、痛ましいほど美しく響いてくる。


障害を持つ弟を演じたレオナルド・ディカプリオが絶賛された映画だが、私の好みは抜きにしても、いつもなにか不満げに口を結んでいるジョニー・デップの素直な笑顔に感動した。
人生には思いがけない転機がある、そんな数少ない僥倖に恵まれた時、人はどんな方法を選ぶだろう。
しみじみと心を打つ美しい作品、静かな秋の夜にまた見たいと思う。

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