シラネアオイ

前に頂に雪が残っている頃岩手県の山に登ったことがある。山裾から少し上っ
た頃に綺麗な小川があり、一息ついて見上げると斜面一帯にこの花が咲いていた。
地元のメンバーは珍しくないようだったが、息を呑むほど美しかった。
近寄って花を見に行こうというところだが先を急いで出発した上るに従って、
ミズバショウやリュウキンカの群生も見られた。北の地方では少し歩くと
高山植物にも会えるのだと、近畿圏に育った者には珍しい体験だった。

中部以北の深山に咲く花なのでこれは植栽されたもの。斜面に広がって美しかった。

背丈は２０〜３０センチほど。葉柄のある大きな葉が数枚互生する。
葉は大きく切れ込んで鋭い鋸歯があり先は尖っている。花は６〜８センチくらい
で淡紫色、少し赤みを帯びるものもある。花びらはなく開いているのはガク。
中にたくさんの雄しべが丸く付いていて、黄色い色がまた美しい。
花が終わると背が倍ほどに伸びる。白根山に多く咲き、葵の花に似ているので
シラネアオイ。