中村航
これが本屋さんで時々見る中村航の青春小説なのか、読みやすい、と、空き時間に読んでみた。
長く飼っていた愛犬が年老いて死んでいくという。
それを見舞いに行くのに、古いバイクを直して同行してくれる彼女とは、一年間の「練習結婚」をすることに決める。
そして二つの死を見る。
日常の中で必ず出会わなければならない死がどんなに悲しく、苦いものか。
別かれていく苦しみにどうして耐えるのか。
胸が詰まる。
だが、わかりやすい言葉ならなお、人生の底はもっと深く、道はバイクで走りすぎるものばかりではなく、一日は重い日々を超えていくこと、そんなことを書き込んで欲しかった。
軽く泣かせる若い小説。こう感じるのはもう青春が遠くなりすぎてしまったのかな。
少し斜めに縫っていくつもりで読んだが。
なんだ直線コースかと思ったとたん、肩が軽くなった。
それで読み方も素直に感動することにしたけれど、この小説は手縫いでなく、さっさとミシンがけした気分。
軽い。
☆遅れ馳せながら、新年おめでとうございます。
今年もあれやこれや思いつくままに読んで書き散らかしますが、
変わらずどうぞよろしくお願いいたします。(*- -)(*_ _)ペコリ☆
お気に入り度:★★★☆☆
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