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井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)



井上ひさし

「文章」というより、初歩の「作文」を書くということについて書いてある。原稿用紙を使うことは少なくなったが、作文教室ということで、基本から始まっている。

井上ひさしさんの、発行されている文章関係のものは、読んですぐ書架に入れてあるはずが見当たらないものがある。
勉強のためにまたこの本を買ってきた。

三点リーダ(…)は2箱使うことなどは忘れていた。

日本語は語彙が多いことについても。

常に辞書で調べよ。

「て・に・を・は」が代表する、助詞、助動詞で悩むことがあるが、これにも明解に答えてくれている。

助詞「を」については
湯・を・沸かす
飯・を・炊く
穴・を・掘る
ズボン・を・縫う
この「を」は材料というより、出来上がったものを必ず指す決まりになっている。だから「水・を・沸かす」ではなく「湯・を・沸かす」

「は」と「が」についてはよく知られている例「象は鼻が長い」

理論的に「は」と言うのは、もう明らかになったことに付き、「が」は未知――まだわからないことにつける。

前触れの副詞を使うことについて 「まだ」の後には否定が来る。
「さぞ」「けっして」「たいして」など無意識に使っている言葉がある。

段落について

点(、)のうちかたについて等々も

文章に接着剤を使いすぎるな

「にもかかわらず」「にくわえて」「とともに」「とどうじに」「につづいて」「のほかに」「ものの」「だけに」「うえに」「するいっぽう」「しつつ」などという接続詞

「――ので」「――ために」「――から」「――ことにより」などの接続詞。
「――が――」はつながりのないものを繋いでしまう「今日は雨だったが、私は元気に生きた」となることがある。

接続詞、接続助詞は「理屈をこねる」のに使われてしまう、注意しよう。

言葉に興味を持ち、極めようとする人の、文章を書く上での注意点に何度も頷いた。

いきなり核心から入る。

自分を指す人称代名詞は、ほとんどの場合、削った方がよい。

意識をなるべく研ぎ澄まして、観念的に、じゃなくて具体的に。理屈ではなくて、具体的に。

自分にしか書けないことを解りやすく。

「誠実さ」「明晰さ」「わかりやすさ」――これが文章では大事なこと。

270ページの中味は、作文教室で学んだ人の宿題添削もふくめ、自分を見直すことがばかりだった。
読み返して反省しよう。
パソコンの良いところは送り仮名で悩まないところだ、と思ったり。
文脈の乱れは自己責任かと思ったり。年とともに末尾が行方不明になってくる。

もっと教えていただきたかったのに、あとがきで予言したかのように亡くなってしまった。感謝して悲。


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