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奇人たちの晩餐会

奇人たちの晩餐会 映画

奇人たちの晩餐会

監督:フランシス・ヴェベール 
出演:ジャック・ヴィルレ(フランソワ・ピニョン)
    ティエリー・レルミット(ピエール・プロシャン)
    カトリーヌ・フロ(マルレーヌ)ダニエル・プレヴォスト(シュヴァル)
    ウランシス・ユステール(ジュスト・ルブラン)
    アレクサンドラ・ヴァンダヌート(クリスティーヌ)

 

「奇人たちの晩餐会」という題を見ていつも通り過ぎていた。
この映画を知らなかったので、奇人変人が集まって食事をするのだが、テーマが何かあって最後は哲学的な小うるさい映画かもしれないと思ったり、どたばたかも知れないと怖気づいたりしていたが、思い切って見てみることにした。


若くして出版業で成功したプロシャンは水曜日に、メンバーが一人ずつ選んだバカを招待してからかい、中からベストワンを決めるという晩餐会を開いていた。
偶然見つけたバカというのは、税務局に勤めるピニョンという男で、彼は妻と離婚した後の寂しさをマッチ棒を使った工芸品を作って慰めているということだった。
プロシャンは会ってみるべく前もって彼を家に招待するが、彼がチャイムを鳴らす前に腰をひねり重症のギックリ腰になって動けなくなってしまう。
またの機会にしようというプロシャンに親切にも手助けを申し込んだピニョンを
プロシャンが追い返そうとするたびに邪魔が入る。実はその時にはプロシャンの妻も彼に愛想を尽かして家を出て行っていたのだった。彼は納得できず妻を連れ戻そうとするのだがそのたびにピニョンのせいでまずい立場に追い込まれてしまう。
妻に逃げられた同じ立場のピニョンは、善意で何とか役に立とうとするのだが悲しいかなバカ。ピニョンとプロシャンのやり取りがおかしくも歯がゆい、こんなこと現実にもありそうという場面に出くわすたびに、実に具合の悪いタイミングで、見境のないことを言いしでかしてしまう。今で言う空気のまったく読めない男なのだが、自分のせいで一度は戻りかけたプロシャンの妻を、また出て行かせた事を後悔したピニョンは、最後に彼独特の考えを搾り出す。


いやおかしくて感動した。90分が短く感じられた。
善意のバカほど厄介なものはない,一つ学んでもまた状況が変わると同じことをくり返す。
本人には自覚がないだけに周りのものの迷惑と怒りが伝わってくる。
悪気はないけれど始末におえない。これに似たようなことは、だれでも一度や二度は経験したことがありそうという展開。 
色々な出来事が積み重なり一気に見てしまう。
でも、善意には救いがある。バカを笑いものにするなんてとんでもない、
バカでない人間がいるだろうか、バカを笑っているプロシャンもまたバカだった
という笑いが少々苦い映画。大変面白かった。

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