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プライドと偏見

プライドと偏見 映画

プライドと偏見

「Pride and Prejudice」 (2006年 英)
監督:ジョー・ライト
製作:ティム・ビーバン エリック・フェルナー ポール・ウエブスター
出演:キーラ・ナイトレイ(エリザベス) マシュー・マクファディン(ダーシー) ドナルド・サザーランド(父) ジュディ・デンチ(マダムキャサリン) ロザムンド・バイク(ジェーン) ブレンダ・ブレッシン(母) サイモン・ウッズ(ピングリー)



歴史のあるイギリスという国で、この舞台になる18世紀末には、女性には相続権がなかった。
女の子は出来るだけ裕福な家に嫁がせて幸せな暮らしをさせてやりたいというのが親心。
娘ばかり5人もいるベネット家は年頃になった娘達を前に悩みは深いが、
娘達にすればそれぞれの個性にあわせ未来には裕福さだけではない何かを待つ気持ちも大きい。


隣のネザーフィールド邸にピングリーという独身男性がやってきた。挨拶代わりの舞踏会が開かれ、
娘達はみんな着飾って出かけていく。
ピングリーは美しい長女のジェーンに一目ぼれ、だが一緒に来た友人のダーシーは気位も高く人づきあいも苦手で娘達の誰にも関心を示さなかった。
その上自由奔放で知的なエリザベスについて言った言葉を聞いてしまった彼女には大いに反感をかってしまう。
エリザベスは続いてやってきた連隊のハンサムなウィッカムに夢中になるが、彼は昔受けた扱いの酷さをダーシーのせいにして彼を恨んでいた。
それを聞いたエリザベスはますます彼を嫌うようになる。
そうするうちに、ベネット家の相続人だと言う従兄弟のコリンズがやってくる。
彼は娘達の一人と結婚して家族を守ろうと考えていた。
白羽の矢が立ったエリザベスは聖職に在りながら俗物ぶりをひけらかす彼の求婚を即座に断ってしまったので幼馴染のシャーロットが彼に応えて結婚することになる。
突然ピングリーは邸を引き払って去っていきウィッカムも転属しダーシーもいなくなる。
両親は大いに落胆するが、ピングリーを諦められないジェーンは彼を追ってロンドンに行ってしまう。
コリンズの庇護者であるキャサリン夫人を訪ねてダーシーと出あったエリザベスは彼から突然愛の告白を聞き、反射的に断ってしまう。
ピングリーが邸を去ったのもウィッカムに酷い仕打ちをしたのも彼だったが、
暫くしてダーシーからいままでの誤解を解くことが出来る手紙が届いて(このあたリ出来すぎ)
エリザベスの硬かった心のしこりも溶けていく。
彼は総てを丸く納めエリザベスの両親に結婚の承諾を求めに来る。


典型的なラブストーリーで、最近人気の高いキーラ・ナイトレイを主人公に、ロマンス好きの女性を引きつけようと作られた映画(のように思う)。
ロンドン郊外の美しい田舎の風景や優雅な建物、当時の舞踏会の衣装など舞台装置も揃っている。
相手役のマシュー・マクファデンは知らない人だが、しかつめらしい表情と晴れ晴れ笑ったときの笑顔が可愛らしい演技派で、彼のようにイギリスには知らない俳優がいて層の厚さを感じる。
イギリスの俳優と言えば、随分前にティモシー・ダルトンが演じた「嵐が丘」のヒースクリフに感動したが、彼はジェームス・ボンドを二回演じた。
でもボンドの底抜けの快活さを持っていなかった。
適役でないと思ったけれどダルトン見たさに、ボンド役の歴史には残るかもしれないと我慢して見に行った。
やはり二回だけで次のピアーズ・ブロスナンに譲ったけれどブロスナンは洒落たスタイリッシュなボンドで人気が出て随分続いた。
今度は多少違った印象のボンドになるようだ。
何をやってもさまになると定評のある、ジュディ・デンチがチラッと出ているが迫力もあって重し役としてピッタリ。
成り行きを母親に任せて意見を控え、優柔不断に見える父親のドナルド・サザーランドの持ち味も十分生かされている。
余談が長くなったけれど、ジェーン・オースティンという人の原作を映画化したそうだが、美しい映像は楽しめるし、クラシッく音楽を編曲して使っているのも雰囲気によくあっている。
ギクシャクした小さな誤解を繰り返すこともあるだろうと思う恋人の出逢いが情緒深く描かれている。
ありきたりと言えばありきたりの話ながら美しい娯楽映画になっている。