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銀杏のベッド

銀杏のベッド

監督:カン・ジェギュ 

脚本:カン・ジェギュ 

音楽:イ・ドンジュン  

出演:ハン・ソッキュ( スヒョン ) ジン・ヒギョン (ミダン) シン・ヒョンジュン (ファン将軍 )ジム・ヘジン (ソニュン) 

 

この映画はハン・ソッキュが出ていなければ見ることはないというような、アニメを実写にしたような奇妙な作品だ。話題になった「シュリ」が面白かったので,その監督のデビュー作というのも興味があったのだが、ジャンルは何になるのだろう、SF、ホラー、ファンタジー、サスペンス、ラブストーリー、なにもかも詰め込んだような、一風変わった映画だ。

 

画家で美術講師のスヒョン(ハン・ソッキュ)は、 露天商の並ぶ通りを歩いていて、銀杏の木でできたベッドを見つけ家に持って帰る。それから不思議な事が起こり始める。昔の武将らしい怪しい雰囲気の男(ファン将軍)が襲ってくるは、謎の美女(ミダン)が現れて助けてくれるはで、てんやわんやだが生きているのは現実の世界であり、毎日が命がけである。彼は医者の婚約者(ソニュン)もいてそんな騒ぎなどまったく縁のない落ち着いた生活をしていたのだが、偶然訪ねていって出遭った不思議な木彫りの老人の話では、実は1000年前は宮廷の楽士であって、王女と恋仲になり駆け落ちをしたが悲恋に終わったという、彼はその楽士の生まれ変わりだった、といわれても彼にとっては寝耳に水の出来事である。楽士は将軍に首をはねられて非業の死を遂げ、王女はそれを悲しんで死んでしまった。その後二人は二本の銀杏の木に生まれ変わリ幸せだったのだが、一本は雷に打たれて枯れてしまい、残りの木でベッドが作られた、そのいわくつきのベッドのお陰で、何度生まれ変わっても追いかけてくる、嫉妬に狂った不気味な将軍に襲われ続けて命を狙われるらしい。その上そのベッドには王女の魂が宿っていて、ときに楽士の魂が目覚めて、ベッドの上で王女と居ることが不思議に思われなくなったりする。婚約者も居るのに困ったことであるが、それはそれで生まれ変わりなので、前世の記憶が蘇ってそういった事も起こるらしい。又一方、婚約者も不思議な現象に遭って、医師の資格を奪われてしまったりする。

 

設定も人物もそれなりに面白くできているが、残念ながらストーリーが複雑に絡み合って、整理不足が感じられる。こういった現実離れのした設定は、前後がつじつまの合うように作り、ストーリーも単純な方が画面で楽しむにはいい。奇抜ではあるが面白味のあるキャラクターが多いわりに、少し実験的過ぎて残念。 多分つまらないという人も多いだろう、実際面白いと思うにはストーリーを整理しながらかなり想像力で補わないといけない面倒な映画だが、なぜか韓国で公開された時は話題になりヒットしたそうだ。幻想的なラブストーリー。

The Gingko Bed 1996年 韓国

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