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ニューオーリンズ・トライアル 陪審評決

ニューオリンズトライアル 映画

ニューオーリンズ・トライアル 陪審評決

「Runaway Jury」 (2003年 米)

監督:ゲイリー・フレダー
原作:ジョン・グリシャム
出演:ジョン・キューザック(ニコラス・イースター) ジーン・ハックマン(ランキン・フィッチ) ダスティン・ホフマン(ウェンデル・ロア) レイチェル・ワイズ(マーリー)

日本でも検討されている陪審員制度、アメリカではその後ろには陪審員コンサルタントという人達がいるそうだ。
被告側のコンサルタントのジーン・ハックマンと原告側弁護士のダスティン・ホフマン、それに陪審員のジョン・キューザック、その恋人らしいレイチェル・ワイズなど、豪華な顔ぶれが登場する。


リストラされたのを恨んだ犯人が、元の勤務先で銃を乱射し、弾に当たって夫が死亡、
未亡人はそれを 銃器の製造会社の責任として告訴する。
銃さえなければこんな事件は起きない。
製造するということは殺人をも肯定することになるということなのだが、会社としては使い方にまで責任は持てない、無謀な言いがかりと見る。
そうして陪審員が選任され、裁判が始まる。
銃器会社は勝つために陪審員コンサルタントを雇う。

此れがランキン(ジーン・ハックマン)の率いるチームで、ハイテク機器を駆使して陪審員のチェックをし、弱みを握って見方に引き込むのが目的である。
一方原告側の婦人には弁護士のロア(ダスティン・ホフマン)が付く。
彼は冴えない弁護士ではあるが、自然体で人間の良心を信じているらしい。
一方陪審員に選任されたニック( ニコラス=ジョン・キューザック)は
生活意識の希薄な電気店の店員で陪審員に選ばれたことが迷惑だといっている。
だが陪審員の中で目立たないはずが次第に信頼されるようになってくる。
裁判が始まり傍聴していたマーリー(レイチェル・ワイズ)も活動を始める。
彼女はランキンとロアに近づき、金で陪審員を見方につけることが出来るという。
1億ドルで陪審員の弱みを売るということだ。
電気店に勤めるニックはコンピューターのデーターをフロッピーに入れて床の下に隠してある。
フイッチの部下がそれを盗んでいく。マーリーはすでにそのことを知っていた。
二人の関係に不信を持ったフイッチはニックの過去を洗おうとする。
次第にニックの本当の顔が現れて、不気味な方向に話が進んでいく。
一方マーリーはロアにも陪審員操作の情報を買わないかと持ちかける
ロアは気の毒な被害者の婦人と子供が勝訴するためにはその情報が欲しい、
フイッチとの遺恨もあり勝ちたい思いで、ふとその提案を受け入れそうになる。


フイッチ側の攻め方の手口、ロアの葛藤、ニックとマーリーの関係、
話はさまざまな方向に揺れながら終結に向う。
ストーリーの流れは滞ることなく、一気に見ることが出来る。
銃の所持が護身のためと見るアメリカ社会の今も
それによって犠牲になった若い夫婦の怒りも分かる気がする。
この映画はその矛盾とともに、陪審員制度やそこに存在するコンサルタントというものが興味深い。
ジョン・グリシャムの原作だけに厭きさせない娯楽性は十分で、楽しめる。
よくできた映画だった。