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キング・アーサー

キング・アーサー 映画

キング・アーサー

「KING ARTHUR」 (2005年 米)

監督:アントワン・フーケア
脚本:デイヴィッド・フランソーニ
製作:ジェリー・ブラッカイマー
撮影:スラヴォミール・イジャック
出演:クライヴ・オーエン(アーサー) キーラ・ナイトレイ(グウィネヴィア) ヨアン・グリフィズ(ランスロット) スチーヴン・ディレイン(マーリン) ヒュー・ダンシー(ガラハット)


これは、よく知られているアーサー王の話ではない。
史実に従って作られたというが、大掛かりな戦闘場面に多少の心理的要素を盛り込んだ、ハリウッドの大型映画だ。
中世の戦闘場面も力が入っているが目新しくはない。
アーサー王は実在したかも知れないが、今はファンタジックな伝説の世界で生きている。
円卓の騎士たちもそれぞれのエピソードとともに親しまれてきた。史実に忠実に作ったそうだが、なぜそうでなくてはならないのだろう。
子供時代から親しんできたアーサーとはあまりにも話が違い過ぎて、エクスカリバーもかすんでしまった。

ただこれがアーサー王の話でなかったとしたら、ランスロットが死ぬまではとても面白い。
牧歌的なウエールズの草原をマントを靡かせて疾走するシルエットは美しくて胸が躍る程。
氷上での決戦の様子は水中のカメラワークもあって緊迫感と美しさを堪能できる。

アーサー王のリーダーとしての苦悩も少しは理解できるが、ストーリーが混乱している。
ランスロットが死んでからグウィネヴィアとアーサーが結婚する。「湖水のランスロット」で有名な恋の悩みはいったいなんだったのか、ロマンチックな伝説は史実と異なるので切り捨てた?
ここからは終盤はお手軽な進行で話が完結。台詞も陳腐でつまらない。 
戦うグウィネヴィアは美しいがまるでアマゾネス。
アーサーのクライヴ・オーエンは印象として少し線が細いかな。

ランスロットのヨアン・グリフィスはイギリスの俳優だそうだが、現実的、理論的な性格を反映して適役。
「キング・アーサー」でなくて、別物であればとても面白かったのに。