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エネミー・オブ・アメリカ

エネミーオブアメリカ 映画

エネミー・オブ・アメリカ

「ENEMY OF THE STATE」(1998 米)

監督:トニー・スコット
製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演:ウィル・スミス(ディーン) ジーン・ハックマン(ブリル) ジョン・ボイド(レイノルズ) リサ・ボネー(レイチェル) レジーナ・キング(カーラ)


テーマは重いけれど映画は軽くてとても面白い。何せウィル・スミスだから。
テンポが良くて達者、それにジーンハックマンは渋い。彼が情報機器の達人なんて
ちょっとイメージは違うけれど、それもアリかなと思えるし。


国会に出された「プライバシー法案」をめぐって成立に反対する下院議員を、自己の利益のために殺したレイノルズは、野鳥観察をしていたザビッツの仕掛けていたカメラで殺人現場を写されてしまう。
一方、敏腕弁護士のディーンは妻へのプレゼントを買うために来ていたランジェリーショップで、
レイノルズが証拠写真を取り戻すために雇った追っ手から逃げてきたザビッツに出会う。
大学時代の知り合いだったために挨拶をして名刺を渡したところ、
ザビッツは迫って来た追っ手から逃れる時に、ディーンの下げていたバッグに撮影したカード
の入ったゲーム機を滑り込ませ、逃げ切れずに車にはねられて即死する。


何も知らないディーンは、それから不可解な出来事が起き始めて命を狙われることになる。
レイノルズはNSAの情報システムを使ってディーンを監視し追跡を始める。
カードも停止され事務所もクビになり家族の命の危機を感じたディーンはなぜか分からないまま逃げなくてはならなくなる。
かっての恋人で弁護士時代は情報源だったレイチェルが殺されディーンは報復を開始する。
レイチェルの情報から裏にいるブリルの存在を知ったディーンは彼に近づく。
彼は元NSAのスタッフで今は独自の方法で情報を集めている情報屋であった。
ディーンと行動をともにすることになり、彼は手始めにディーンの身辺に仕掛けられた発信機や盗聴器を見つけてディーンを驚かす、そして二人はNSAの追っ手に向かって反撃を開始する。


監督のトニー・スコットはリドリー・スコットより軽い映画を作るが、面白さでは甲乙つけがたい。
どちらの作品も娯楽映画としては出来が良くていつも楽しみに見るが、この映画も肩の凝らない一級品だと思う。
こんなにしっかりマークされてしまったらもうプライバシーなんてガラス貼りのようなもので、
我が国の住基ネットなんて顔色なしかも。
ディーンが気づかない段階でこまごまと盗聴器や発信機の設置を見せてくれる。
追跡にはやはり空からの衛星通信でこれでは逃げ切れない、でも映画では逃げ切ってしまうけど。位置を絞れば胸のバッチも読める。
これは現在すでに使用されているようで、ドラマでは「24」のCTUで盛んに使っているのでお馴染だし、最後ではさすがのブリルもアジトを見つけられてしまう。
映画の最後にちょっとしたコメントがある。
人権は固く保護されなくてはいけない。プライバシーには踏み込むべきではないという。
映画は面白くてもいいけれど。こんなことになると、いつかディーンやザビッツの運命のように悲惨なことになりかねないなぁ、ナンテ真面目に考えると不気味。

NSA:National Security Agency 国家安全保障局