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007 カジノ・ロワイヤル

007casinoroyale 映画

007 カジノ・ロワイヤル

監督:マーティン・キャンベル
原作:イアン・フレミング
出演:ダニエル・クレイグ エヴァ・グリーン マッツ・ミケルセン ジュディ・リンチ

今度のボンド役はピアース・ブロスナンじゃないそうだ、彼はもう若くないから、というのでどんな人がやるのかと思っていたら、ダニエル・クレイグというあまり知らない人だった。

写真で顔を見るとあぁ「ミュンヘン」に出ていたし、「トゥームレイダー」では感じがよかったが終りのほうで簡単に死んだなという俳優だった。渋い人選だと思い、ユアン・マクレガーが断ったという後釜だったし映画館に見に行くのをためらった。それでDVDを借りて遅くに見たのだが期待以上の面白さで映画館に行くのだったと後悔したくらい。
オープニングから気合が入っていて、ダニエル・クレイグのボンドはこれからがとても楽しみになった。


007の資格を持つには、2件の暗殺を実行しなくてはいけなかったが、ジェームスは難なくそれをクリアしてエージェントになる。次の指令は爆弾魔の殺しだったが、追跡中に大使館に入り射殺したのはよかったが辺りをめちゃくちゃにしてしまったのでMに大目玉を食らってしまう。

調査を続行しているうちに、テロ組織の軍事用資金を請け負って投資運用し、利益をむさぼっているル・シッフルという男に辿りつく。ル・シッフルはマイアミ空港で新型ジェットを爆破して株価を下落させることを企むがそれをボンドに阻止されて大損をする。今度はカジノでそれを取り返すべくテキサスに向かう。

カードゲームに才能のあるボンドは彼と対決するが、資金をすってしまい、財務省から派遣された資金係のヴェスパー・リンドからも追加資金を断られ窮地に追い詰められているところに、丁度居合わせた局員の権限で、CIAの援助がありその潤沢な資金に恵まれて勝利する。捨て身のル・シッフルはボンドに毒を盛り、あげくはボンドが得た金を振込銀行から取り返す計画で、パスワードをめぐってボンドを拷問しヴェスパーを誘拐してボンドを窮地に追い詰める。

しかしさすがにCIA幹部、ついにル・シッフルを追跡、射殺して一件落着。そしてボンドは愛しあうようになったヴェスパーと甘いハネムーンを過ごし、もうスパイはやめようかと思うほどだったが、次に来る過酷な運命には逆らえなかった。


初代ショーン・コネリーから続くボンドーシリーズは安定した作品で面白かったし、その流れを汲んでストーリーもアクションもオープニングも一つのスタイルを作ってきた。
今回の作品は新しいボンドが生まれた記念すべき一作目といえるようだ。

最初の二件の暗殺はフラッシュで見せる。ダニエル・クレイグの年齢はよく分からなかったが、アクション場面の切れのよさにやはり彼は若い人だというところが見えた。癖のある顔つきも可愛らしく見えてきたから不思議。まだまだ完成前のスパイ活動で彼のフェミニストぶりも後年の徹底振りはない。魅力的なエヴァ・グリーンを最初は嫌ったりして露骨にそれを顔に出す。Mのいうことにも真面目に逆らってまだ練れていない。ボンドカーにスパイ道具がない。隙を突かれて毒を飲まされたりする。顔が傷だらけ。泣いたりするし。などなど若いゆえに未熟なところが出る。好きになったらもう一途なのも可愛らしいと、とても面白かった。初期のボンドなら時代は遡っているはずだが機器などは今のものを使っている。
Mの家が出た。旦那さんも初めてお目にかかった。今回は秘書が出ないし、あの面白い便利なスパイ道具を作るQさんはまだ就職してなかったか配属されていないらしい。


前に「嵐が丘」の映画でヒイスクリフを演じて感動したティモシー・ダルトンのボンドは期待して見たが少しキャラが違うように思えた、ヒイスクリフの偏執的な部分は彼が演じたときはよかっただけに開放的で緻密なボンドは似合わなかったのだろう。2作作られただけ。
ピアース・ブロスナンは美形でスタイリッシュでがんばりボンド像を壊すことがなかったので安心だったが、世代は交代の時期だったのか。スタッフの目にかなわなかったようだ。今度の007を作ったことはこれからも愛すべき007の活躍に続く、新しい展開の序章のようでまた楽しみが増えた。

 Casino Royale  2006年 米・英・独・チェコ 

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