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やさしさの精神病理



大平健

時間つぶしに読んでいる小説が、こんなに面白くてありがたいと思う。そんな時、フィクションや幻想から自分に返るたびに、たるんだ心身を刺激するように机の前に常に積んでおいて、ぱらぱらと読んでいる本がある。

梅原猛著「地獄の思想」
無常観が根っこにあるそんな自分は、日本人だと再認識する。

無駄に消費したような時間に少し負い目を感じて、長尾真著「わかる」とはなにか 
を拾い読みする。

自分の環境を振り返るために、森島恒夫著「魔女狩り」
を身の回りのことにてらして、変わりのない集団の心理を読んでみる。

最近は 大平健著 「やさしさの精神病理」

本物の「やさしさ」や「優しさのかたち」や「やさしさの違い」そして人によって望む形の違いや、表し方。
お互いに求める「やさしさ」の形がどのくらい共通のもので、どのくらい個性的なものか、この本を読むと自己流に逸れかけていた優しさについて少し整理することができる。

時々古い友達に会って他愛なく変わりないことを話したり、ほんのり暖かさを分けてもらったりして、ただゆったりと「やさしい」時間を過ごしたい、と思っている。
そんな時思い出して読んでみると、何かほど良くて、今とは少し違う「やさしさ」を考えることができる。

この本は短編小説のように、診察に訪れる人々の求める「やさしさ」が書かれている。

疲れたときには他人ごとになって
養老孟司著の「バカの壁」も面白い。

読書は楽しい。

昨年の9月末にふらっと立ち寄って、参加させていただきましたが、たくさんの優れた書評で勉強しながら、読みたい本が積みあがっています。300冊レビューの切り目は感謝を込めて 愛読書を少しだけ並べてみました。


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