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天使のナイフ



薬丸岳

本棚から見つけた、今夏の宝石かも。読みやすかった。一気に読んで少年たちや幼い子供たちは今幸せな時代なのだろうかと周りを見回したい思いがした。51回の乱歩賞受賞作。

妻を殺した犯人がすぐに捕まった。中学1年の13歳の少年が3人。突然、幼い娘と取り残された桧山は「少年たちを殺してやりたい」と叫んだことが話題になった。

殺される前、妻が貯金通帳から510万円のお金を引き出していたのを知った。なぜ。

少年法に守られて犯人の子供たちはすぐに社会復帰したが、桧山の身近なところで少年Aが殺された。そして残る二人も殺されてしまう。 アリバイが無い檜山に刑事が目を光らせ始めたが、彼は裏に繋がる犯罪の糸を辿っていく。
話の展開も奥が深くミステリを離れて社会小説のようだった。

書かれた当時から、犯人たちと被害者を巡る環境はあまり改善されていない。
安全な日本という底に、幼い子供の悲劇やいじめや、子供たちが荒れていく原因が隠されていて悲劇は後を絶たない。

少年法は改正されたが、それで更正して復帰できるのだろうか。
最後の部分が感動的だった。

少年法については「イズ・エー」という映画があった。津田寛治の刑事と、少年には小栗旬、父親に内藤剛志、特に美少年小栗旬の不気味さが秀逸で、複雑で感動的な映画だった。 どちらにしても、こんな悲惨な出来事に思いがけずあってしまったら、被害者側として、犯人の家族としてそれぞれが悩み苦しむことになることに、フィクションながら心に残る話だった。


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