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幻の終わり



キースピータースン

ハードボイルドでも、主人公はソフトな印象のジョンウエルズという記者。彼がいい。シリーズは四作出ているが読み始めのこれが二作目。

マンハッタンは大雪だったそして、それは初雪の夕方だった。

若い女性が虎に腕を食われた事件も一息ついて、ウェルズたちは雪の中を「プレスクラブ」に行き、編集長をサカナに一杯飲んでいた。
そこに顔馴染みがいた。
その中の見知らない一人は海外通信員だった。コルトという名前の通信員とはウマが合ったのか、最後まで付き合い、ついに彼のホテルでまた飲み、酔いつぶれて泊まってしまう。

朝になって気が付いたときにはすでにコルトはセンスのいい服装で身じまいを済ませていた、そこにノックの音がして、朝食を運んできたベルボーイだと思ったコルトがドアを開け、チップを払おうとして刺されてしまう。彼は最後に「エレノア」とつぶやいて死んだ。

目撃してしまったために殺し屋に襲われ、九死に一生を得たウェルズは、この「エレノア」という名前を調べるためにコルトの過去を辿り始める。

かってアフリカにあった「セントゥー」という国の政変に巻き込まれた記者たちは今ではニューヨーク新聞界の大物になり、この政変の渦中にいた記者はその記事でピュリツァー賞を受賞していた。
彼らに何があったか、ウェルズを付け狙う殺し屋は何者か。

彼は「エレノア」に執着し魂を奪われる。彼女はセントゥーから生きて出られたのか。

登場してすぐに死んでしまったコルトとエレノアの関係、
二人の歴史が10年後のニューヨークで明らかになり始める。
ウェルズは命を懸けても、調べずにはいられない。

キースピーターソン、ジョンウエルズシリーズ2作目
このシリーズは四作あって以後は出ていないが、残念なことに積読山にあるはずの一作目が見つからない、ここまで来たら探して読もう。
上質のハードボイルドそしてミステリ。そしてサスペンス。読みごたえがあった。


お気に入り度:★★★★☆
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