サイトをSSL化しました。セキュリティアップ!

レボリューショナリーロード 燃え尽きるまで

レボリューショナリーロード 映画

レボリューショナリーロード 燃え尽きるまで

監督:サム・メンデス
原作:リチャード・イェーツ
音楽:トーマス・ニューマン
脚本:ジャスティン・ヘイス
出演:レオナルド・ディカプリオ ケイト・ウィンスレット キャシー・ベイツ キャスリーン・ハーン マイケル・シャノン

 

タイタニックのコンビなのでラブストーリーのような作品に思えるのが残念、題名も微妙で。狙いが分らない。でも、甘く悲しいタイタニックのお話とは全く違う。ラブストーリーめいた題で客寄せのつもりなら、観客の捉え方には失敗したのではないだろうか。「レボリューショナリーロード」という題は意味深。


50年代の原作で時代背景も当時の設定にしたそうだが、ストーリーは特に時代には影響されない、今も結婚生活には普通に見られる形のように思われます。夫婦の生き方の違いが、時間がが経つにつれて鮮明になってくるのはあり得ることです。それを家庭という繋がり、小さな共同体の枠の中で何とか妥協をしたり慣れていったりと、それを乗り越えていっているのが、ほとんどの夫婦の姿ではないでしょうか。ただ家庭というものが自己の個性や将来を見失わせる足枷か檻のようだ思いはじめた人たちにとっては、時間の流れが耐え難い苦しみに感じられるかもしれません。この映画は、妻が郊外の家で暮らしている間に孤独感が深まり、精神的に病んでしまいます。若い頃の夢が忘れられず、夫が若い頃持っていた夢も一緒に取り返そうとします。しかし夫は妻ほど今の生活に不安はありません、妻の気持に沿って一度は仕事もやめて生活を変えようとします。でも、昇進のチャンスがあったり妻が妊娠したりで、、生活を安泰に続けたいと思うようになります。妻は気質にエキセントリックなものを持っているだけに、希望が叶えられないと知ってとった方法は悲劇的です。でもそれも、何か分るような気持がしました。心身ともに自立してはいるのです、不可解で込み入った自分の気持も分ってきます。そして諍いの後森の木に凭れて項垂れる妻の姿が悲しいです。今の環境から抜け出すことに決めた朝、穏やかに夫と朝食をとる、静かに台所に立つ妻のシーンは明るい朝の光の中で輝いていました。悲しい名場面です。夫はそんな朝が迎えられたのを喜んで仕事に出かけていきます。


夫婦の気持のずれが、小さな亀裂からだんだん大きくずれていく様子がとてももの悲しく胸を打つ作品でした。

 

REVOLUTIONARY ROAD  2008年 アメリカ

5