「THE TALENTED MR.RIPLEY」 (1999年 米)
監督:アンソニー・ミンゲラ
脚本:アンソニー・ミンゲラ ソニー・ミンゲラ
製作:ソウル・ゼインツ
出演:マット・デイモン グイネス・バルトロウ ジュード・ロウ ケイト・ブランシェット フレディ・ミルス セルジオ・ルビーニ ジャック・デヴェンボード ジェームス・レブホーン
またまたついでにこの映画を。
アランドロンのヒット作「太陽がいっぱい」のリメイクだという。「太陽がいっぱい」は実に面白い映画だった。スライド映像を見ながらサインの練習をするシーンなど今も思い出す。
「リプリー」はアラン・ドロンとは比べられないほど、今でいうダサい貧弱なマット・デイモンが見所。それも放蕩息子に対してちょっとホモっ気のある味の濃い内容になっている。
ストーリーは同じく、貧しい青年が豊かな生活に憧れ犯罪を犯す、そこにいたる経緯や方法は
多少新味があるものの、マット・デイモンという俳優のせいで絵画的なアラン・ドロンの美しさより現実味がある。
ジュード・ロウのディッキーも若い見境のない放蕩息子が板についていて、熱し易く覚めやすい典型的な堕落した生活を送っているところ、若いリプリーの憧れの対象として申し分がない。
二人の女優は今もいい作品で楽しませてくれている。豪華な顔ぶれ。
「太陽がいっぱい」で、錨に曳かれて死体が上がってくる最後のシーンとは、少し趣が違うが新しいリプリーを旨く表現して脚本もよくできている。
リメイクだという先入観をなくして見るのもいいし、マット・デイモンを見てジュード・ロウを鑑賞してみるのも面白い。