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イントゥ・ザ・ワイルド

イントゥザワイルド 映画

イントゥ・ザ・ワイルド

監督・脚本:ショーン・ペン
原作:ジョン・クラカワー
出演:エミール・ハーシュ ル・ホルブルック キャサリン・キーナー ウィリアム・ハート ヴィンス・ヴォーン

ショーン・ペンの監督で昨年公開された作品。実話をレポートしたものが下敷きで、そう思うとちょっと暗い、若者の内省的なロードムービーのようですが。 


彼は大学を卒業したと同時に身の回りを何もかも整理して、大学院の学費も寄付、カードも持たない旅に出る。成績は優秀で、両親は社会的な成功者で裕福な家庭で、仲がいい妹が独りいる。それらをみんな残して旅にでてしまいます、「物や金・家族」など現代社会のしばリから解放されることが目的でした。旅の途中のエピーソドも知り合った人たちも、自由な生活送ってはいるが、それぞれ違う過去や希望や生活の形があり、自分を肯定して前向きに生きている。その人たちに関わって暮らしながら、彼は開放された生活の重みを知ります。そして生まれたこと生きていくことについて思いを深める。


若者の一時の感傷のようですが、ショーン・ペンはそんなありきたりの解釈は与えない。バックには妹の言葉が流れ、彼の日記が画面に書かれていきます。よく考えられた構成でした。それからも、旅に出た理由や心の様子をうかがうことがで出来る。

そういった思いを、ほとんどの人は実行する勇気がなく、生きていくうえはそれぞれにしがらみも責任もあります。彼の思う、「通俗的で、常識に縛られた日常」からの開放、ということが旅のエピソードを交えて進んで行きます。考えさせられるいい映画でした。自然を写したカメラもすばらしく美しく、俳優もいい、抑制された物語はショーン・ペンらしい作品でした。題名を離れて見ると、「荒野」を目指したのか、踏み出してみるとそこは「荒野」だったのか。夜に見たので、感動したものの何か重い後味が残りました。

INTO THE WILD 2007年 アメリカ

5