
イントゥ・ザ・ワイルド
若者の一時の感傷のようですが、ショーン・ペンはそんなありきたりの解釈は与えない。バックには妹の言葉が流れ、彼の日記が画面に書かれていきます。よく考えられた構成でした。それからも、旅に出た理由や心の様子をうかがうことがで出来る。
荒れたベトナムの中で4つの話が展開する。それぞれの人物の生活が交差して物語が流れていくが、画面がとても美しい。20代のベトナム出身の監督が作った映画だそうだ。彼にとってもベトナム戦争は もう遠いものかもしれないが、戦場だった町に対する郷愁が感じられ、
雨のシーンは路上生活をする少年の孤独を良くあらわしている。
長男の責任を果たさなくてはならないと受け入れてきた境遇が、外の世界から来たベッキーによっで次第に窮屈に思えてくる。若者の社会への目覚めと、彼女を愛するようになった心の揺れが、痛ましいほど美しく響いてくる。