サイトをSSL化しました。セキュリティアップ!

読書

読書

さよなら渓谷

吉田修一映画の衝撃で、つい原作に手が伸びた。暑い夏の空気の中で傷ついた女と傷つけた男の暮らしが重かった。読むよりずっと先に映画を見ていた。 映画を見たらあまり原作は読まないのだが、この映画には主演の二人の、お互いを癒すように見えて、過去か...
読書

すべての美しい馬

コーマックマッカーシー少年たちの旅の中で、美しい馬が旅に寄り添い慰め、より美しく輝いている。 全米図書賞。 全米書評家協会賞受賞作。コーマック・マッカーシーの世界はグロテスクで残酷だ。が、国境三部作といわれる第一作のこれは、ストーリー性...
読書

あの素晴らしき七年

エトガルケレット妻のシーラが言った。 「心配いらないわよ。私たち二人がなんとかやり過ごさなきゃいけないことが何であろうとも、それはきっと一瞬のことよ。どんなにひどくったって、残りの人生のたった一日に過ぎないわ」 2016年発行のリアルな...
読書

あの紫は―わらべ唄幻想

皆川博子わらべ歌と詩をモチーフにしている。それは夢の中から生まれたように、今になって現実ににじみ出てくる、夢だったのだろうか。その不思議にとらえられた人たちの話がなにか妖しい情感を醸し出している。前に読んだ「蝶」は詩や和歌が取り上げられて...
読書

いのちなりけり

葉室麟時代小説を読んでみようと本棚をみると葉室さんがいた。題名が気に入って買ったらしい。無骨ながら歌を愛する蔵人という主人公には似合わない表紙でびっくり。これでもいいのかと思ったら脳内イメージが吹っ飛んだ。いのちなりけり (上下) 葉室麟...