読書藁の楯 木内一裕少女を残虐に殺し犯して捨てた犯人が出所してきた。間もなくまた一人の少女を犯して殺した。だがその子は富豪の孫だった。富豪は三大紙に全面広告を出す。 <この男を殺してください> 黒々としたバカでかい文字が踊っていた。 その下に大きな顔...2019.03.17読書
読書虫樹音楽集 奥泉光「シューマン」から「ジャズ」へ。 ザムザの変身から宇宙樹へ。 虚実の境なく奥泉光の言葉が形つくる異空間。カフカの「変身」のように「孵化」~「幼虫」~「変態」をなぞりながら狂気をはらんだジャズ演奏家(テナーサックス・バスクラリネット)...2019.03.17読書
読書虹の岬の喫茶店 森沢明夫生きるって、祈ることなのよ。 トンネルを抜けたら、ガードレールの切れ目をすぐ左折、雑草の生える荒れ地を進むと、小さな岬の先端に、ふいに喫茶店が現れる(帯より)図書館のお勧めで読んだ。噂では聞いていたが、もう胸が詰まって、二度読んだ...2019.03.17読書
読書蛇を踏む 川上弘美薄い本だった。でもふわふわと広がっていくような不思議な世界に浸っていると、すぐ読み終えるのが少し残念だった。 「蛇を踏む」 サナダさんは公園で蛇を踏んだ。蛇は「踏まれたらおしまいですね」「踏まれたので仕方ありません」と言って人の...2019.03.17読書
読書蛍川 宮本輝「蛍川」と「泥の河」が収められている。「泥の河」で1977年(昭和52年)に太宰治賞。「蛍川」で1978年(昭和53年)に芥川賞を受賞した。宮本輝さん30歳でここが作家としての出発点だった。 角川文庫版を読んだが奥付を見ると昭和55...2019.03.17読書