読書屋烏 乙川優三郎昔ながらの家屋には、家の歴史のように長く棲み付いたものがいる、烏も蛇も、そして親代わりの長女のように。みんなそれなりの小さな幸せを守って。 5つの短編が収められている。どれも人物や情景の繊細な描写が優れた名品揃いで、明るい未来を...2019.03.17読書
読書山女日記 湊かなえありきたりな山歩きかもしれないが、柔らかい言葉に沿って辿って行きながら、主人公の心境に共感を覚える。湊さんは山好き花好きでした、この本を読んで知ったのだが、日記という題名は本人のものではなく、参加して登山情報を得ているSNSの名前...2019.03.17読書
読書川あかり 葉室麟藩政を正すために家老を斬るべし。でもなぜ藩きっての臆病者、七十郎に白羽の矢がたったのか。「蜩の記」からしばらくたってこの本を見つけた。「読むべし!!」と思って図書館にリクエストしていたら忘れる頃になってやっと順番が来た。 最近口癖に...2019.03.17読書
読書幸福な朝食 乃南アサ美しさに恵まれた女の話。平凡に育てばこんな壊れ方をしなかっただろう。平成8年に文庫になっているが、その年に直木賞を受賞しているので、その関係でデビュー作が文庫になったのだろう。 その後の乃南さんの作品はどれも余り外れがなく面白い。...2019.03.17読書
読書天使に見捨てられた夜 桐野夏生村野ミロのシリーズ、二作目。「ミロ」はいいが彼女の事件としては話が物足りない。こういう世界は読みなれたからか。背景は同じミロが住む新宿のマンション、一作目で仲良しだった隣の住人で、夜に働いていた出稼ぎのフィリピーナたちは帰国してい...2019.03.17読書